2025年11月28日に不定期営業ながら増田珈琲店というコーヒー屋を開業しました。

将来、自分でカフェや喫茶店などの実店舗を経営してみたいと思っている方に向けて今回僕が経験した設備などの金額をまとめていきます。

開業費用は条件次第

開業に必要な費用といっても条件によって大きく変わります。

  • スケルトン
  • 居抜き
  • 半居抜き

まず大きく分けて三種類の条件で説明します。

スケルトン

コンクリートがむき出しで、設備や水道管などの配管すら何もない状態の物件のことをスケルトンと言います。

メリットは自由自在に店舗の設計ができる点で、デメリットは工事費用が非常に高額になる点で物価高騰もあり、物件の広さ次第では開業費用が1000万円を超えることも覚悟する必要があります。

居抜き

前の経営者が購入した設備がそのまま置いてあり、すぐにでも営業を始められる状態が居抜きです。

増田珈琲店はこの居抜き物件を借りたため開業費用は非常に少なく済み、金融機関から借りたお金は300万円で済みました。

借金300万円と聞くと身構える人も多いと思いますが、新車を一台購入したと思えば身構える必要が無いのが分かると思いますし、スケルトンでの開業に比べればかなり安上がりです。

しかも車は消耗品ですが、店舗はお金を生み出します。

居抜きのメリットは開業費用の安さでデメリットは導線の不自由さと残されている厨房器具やエアコンなどの設備が古く借りて間もなく壊れてしまう可能性があること。

そして前の店の雰囲気が残ってしまうことで、お客様から「前と変わっていない」と言われることを覚悟しておいてください。

半居抜き

半居抜きに定義はありません。

水道やガスの配管さえ通っていれば半居抜きですが現場的には厨房設備は無いけど壁やカウンター、トイレなどの造作は残っている状態を半居抜きと呼ぶことが多く、居抜きとスケルトンの良いとこどりが半居抜きです。

配管工事から始まるスケルトンからの工事よりは安く済みますし、完全な居抜きより開業費用は高額になりますが居抜きより自由が利くうえに以前の店舗の雰囲気を薄めることも難しくありません。

しかし理想の半居抜き物件が見つかった場合でもエアコンや排気設備が長持ちするかどうかは調査してください。壁の中を通る設備が壊れた場合の修理費用は目が飛び出す費用になります。

居抜きと半居抜きの物件は造作譲渡料といって内装外装や厨房設備を譲る代わりに費用を請求される場合があります。

絶対に払ってはいけないという訳ではありませんが、余程条件が良い場合を除いては払わない方がいいでしょう。払うなら最初から自分で好きに決めた方がいいです。

物件の広さで開業費用も変化する

物件の広さが変わればもちろん必要な費用も変化します。

物件が広ければ必要な材料や職人も多くなり、完成までの工期も長くなる分高額になります。逆に狭ければ数人の職人で数日で工事完了してしまうので安く済みます。

現在の物価高騰(2025年時点)を考慮すると、スケルトンから内装を作る場合の坪単価は80万円〜120万円ほどが目安となります。

店舗の広さ坪数の目安概算費用(坪100万円の場合)想定されるスタイル
極小(3〜5坪)約10〜16㎡300万円〜500万円テイクアウト専門、コーヒースタンド
小規模(10坪)約33㎡1,000万円1人か2人で営業する店舗
中規模(20坪)約66㎡2,000万円最低でも3人は必要な店舗

内装工事の坪単価は総工事費用÷延床面積 =で計算されます。

つまりコーヒースタンドですらスケルトンから作ろうとすると300万円から500万円は必要な計算になります。

とはいえ坪単価はあくまで目安なのでしっかりした費用は業者に見積もりを出してもらった方がいいですし、できるなら自分の知り合いか信用できる人に紹介してもらった業者に頼むのが一番です。

広さで諸経費も変わってくる

例えばエアコン。狭ければすぐに効いてきますが、広いと効くまでに時間がかかり電気代がかかります。

照明も同じですし、広いということは1日の来客数も多く在庫がたくさん必要になります。

単純に狭ければ安く済むから、広い方が売り上げが多いからと決めずに自分は最終的にどうしていきたいのかで物件は決めましょう。

コーヒー屋をするのに必要な費用

これもまたどういう形でコーヒーと携わっていくのかで費用が変わってきます。

今回は店舗を借りることを前提とします。

物件取得費用

店舗を借りる時に必要な費用は下記。

  • 敷金または保証金
  • 礼金
  • 家賃保証料
  • 仲介手数料

敷金や保証金は大家に預けておく費用です。住宅の敷金と同じようになにかあったときに保証金から支払われ、なにもなければ物件を退去する時に返還されます。

礼金は大家に物件を貸してくれてありがとうという気持ちを表すための費用だそうです。なので絶対に発生する費用ではありません。

家賃保証料は保証会社を使う場合に必要となります。誰かに保証人になってもらえるなら必要ありません。

仲介手数料は不動産屋に払う手数料。

僕の場合は上記の費用の合計が約77万円でした。さらに火災保険やPL保険という食中毒など使える保険が必要です。

上記の費用は家賃数ヶ月分を初期費用として払うので家賃が高ければ高いほど高額になります。

厨房設備や什器備品の費用

コーヒー屋といってもハンドドリップで提供するのか、サイフォンやエスプレッソのように専用の機械が必要かどうかで費用が変わってきます。

さらに食事を提供するかしないかでも冷蔵庫のサイズが変わってくるので決めることはたくさんあります。

僕の場合は居抜きで非常に厨房設備が綺麗だったので什器と備品にお金をかけました。設備費用100万円です。

備品はできるかぎり中古で揃える

業務用の厨房設備は頑丈なのでハズレを引かなければ余裕で10年以上は元気に動いてくれます。

しかしその分新品は高額で、すべて新品で揃えようとするとすぐに予算オーバーしてしまいますし、借入するならもっと抑えられないかと言われると思います。

なので中古で済ませられる設備は全て中古で揃えましょう。

ネットショップで厨房設備を買わない

今はインターネットでなんでも買えて便利ですが、厨房設備をよくわからないネットショップで買うことはオススメしません。

理由は壊れやすく、害虫が引っ付いてくる可能性が非常に高い。

前者はピンキリありますが後者は本当に多い。安く済ませても結局害虫駆除を頼まないといけなくなるので中古設備は実物を見られる実店舗で買ってください。テンポスという業者が大手なので近所にないか調べてみてください。

焙煎機

このブログを見ている人は自分で焙煎している人が多いと思いますが、使っている焙煎機の種類は人それぞれでしょう。

手回し焙煎機や手鍋で焙煎している場合はさすがに効率を考えると実店舗では使えないので自動の焙煎機を買う必要があります。

焙煎機といってもフジローヤルのように1kg焙煎機で100万円以上する焙煎機や電気で動くaillioの焙煎機もあります。どれを選んでも高額なので小さめの焙煎機を買うとしても数十万円の予算は組んでおきましょう。

仕入れ資金が必要

意外と忘れがちなのが仕入れをする資金です。コーヒー屋なら主にコーヒー豆ですがフードも提供するなら食材も必要で、仕入れができないとコーヒーを売ることができません。

コーヒー豆は高騰していますが、飲食業界の仕入れの中なら安い部類に入るので多額の資金を用意しておく必要はありませんが忘れずに頭にいれておいてください。

予定外の出費が起こる

開業準備をしていると予算にいれていなかった急な出費が必要になる場合があります。

この出費は内外装の工事をしている場合、外から見えない部分に発生することが多いですが居抜きでも使い始めてすぐに設備が壊れることも十分に考えられます。

こういった出費は思っている以上に金額が大きく、予定自体を変更しなければならないこともありえます。

予見できないことが起きたとしてもできるだけ予算内に抑えられるように他の部分にかかる費用を抑えられないか常に考えておきましょう。

自己資金は必要予算の最低三分の一

自己資金とは自分で時間をかけて貯めたお金のこと。

創業するために金融機関に借入する場合、実績が無いので自己資金がどれだけあるかを見られます。

家賃や仕入れなど店舗を運営するためのお金を運転資金、設備を買うためのお金を設備資金と使用する目的が分かれていますが、余程のことがなければカフェやコーヒー屋の創業に運転資金は融資してくれないので設備資金のみの融資になることが多いです。

なので運転資金は自己資金から払うことになるので失敗すると自分の生活まで破綻してしまうので綿密な計画が必要。

融資してもらえる金額は自己資金の1倍から2倍。仮に自己資金300万円なら300万円から600万円の融資が現実的です。

仮に600万円の設備資金融資を受けたなら全部で900万円。600万円は設備の購入や工事資金にしか使えないので自己資金300万円からどれだけ設備資金と運転資金に振り分けるか考えます。

現実は居抜きか半居抜き

上記のスケルトン物件からの創業では900万円全部使ったとしてもオープンまでこぎつけるのは難しいので半居抜きの物件を探してみようか。となるわけです。

長年に渡って計画を立てていなければスケルトン物件での開業は難しいので、創業は半居抜きか居抜きの物件を探した方が現実的でしょう。

開業のスタートは物件探しから

  • 物件取得費
  • 内外装工事費
  • 設備・什器費
  • 仕入れ費

開業に必要な費用の三分の二が物件取得費と工事費用です。

物件が決まれば大きさによって工事費用の概算が出せるので開業したいけど、どれだけ貯金すればいいか分からないなら貯金すると同時に物件を探し始めてください。

気に入った物件があれば家賃から保証金などでどれだけ必要になるのかが分かります。

さらに借り入れをするならまずは物件が決まらないと話が進まないのでやはり物件を探して決めるところからがスタートです。

物件探しは運だと言われているので根気よく探しましょう。