間借りカフェや開業をする時に絶対になんとなくで商品価格を決めないでください。
商品価格は利益を出すための非常に大切な要素です。
来店する客層も商品価格にかかわっています。
なにか困っていたり、うまくいかないなと思っていることが価格を考え直すだけでうまくいきだす事も多いです。
なので今回は商品価格をどうしたらいいのか解説していきます。
【結論】コーヒーで利益を出せるような価格にするべき

事業は利益を出すことが目的。
高価格にして売れなくなることを怖がっていてはいけません。
低価格にしてもジワジワとキャッシュとメンタルが削られていきます。
なので生き残るためにはどうすればコーヒーを高く売れるのか考えることが大切で、ボランティアではありません。
安くしてたくさんのお客さんに喜んでもらおうとして利益が出ずに閉業したカフェや喫茶はたくさんあります。
そこで考え方を変えましょう。
店を続けることがお客様に対しての最大の価値提供です。
必要とされてるから多少割高でもお金を払ってもらえます。
必要とされているなら営業を続けられるように努力しましょう。
そして営業を続けるためには利益が必要です。
なので臆せずに利益が出るように価格を付けましょう。
まっすんです。YouTubeもやってます。
出店場所で価格は変わる
価格の設定に正解はありません。
地方と都市でも変わり、住宅街に出店するか商業施設に出店するかでも価格設定は変わってきます。
1杯500円ではないと売れない地域もあれば東京の様に1杯1000円を超えるのが珍しくない地域もあります。
オススメの値付け方法
商品価格を決めるのは簡単ではありません。
絶対の正解が無いので。
そこで最初は価格帯を広くしてお客様に選んでもらい、データがとれたら価格改定する方法がオススメです。
例を出すと600円から3000円の豆を用意しておけば600円のコーヒーを飲む人もいるし、1000円のコーヒーを飲む人もいます。
逆になんでもコーヒーすべて1杯1500円だとすると高いというイメージがついてしまいます。
このようにお客様自身に選択肢の中から自分の意志で決めてもらうと、価格と商品の価値が釣り合っていなくてもいきなり不満は持たれることが少なくなります。
とはいえ2,3回満足できなければお客様は離れていくでしょう
原料費30%人件費30%家賃10%
飲食業にはFLRコストやFLR比率という言葉があります。
- FはFoodで原料費 30%
- LはLaborで人件費 30%
- RはRentで家賃 10%
売り上げに対して上記の比率、全体で70%が理想とされています。
しかし自分で経営してみるとよくわかりますが、この比率を守ろうとすると非常にシビアです。
- 原料費を抑えるとありきたりな商品ができる
- 人件費を抑えると提供が遅かったりで顧客満足度が下がる
- 家賃は10%でもまだ高いが家賃を下げすぎてもまともな物件ではない
物価と最低賃金が上昇している現在、すべて込みで70%にするのは難しいです。
もし70%に抑えられているのなら胸を張ってください。
コーヒーの利益率が一番高い
飲食店では基本的にドリンクの利益率が一番高いです。
ドリンク自体の利益率も高いですが、お客様に提供するまでの手間や時間も少ないので効率もいい。
フードのみのオーダーを受けてしまうと売り上げが良くても利益が少なくなる場合も多いです。
なので店によってはワンドリンクオーダー制をしているところもあります。
コーヒーも利益率が高いですが、ソフトドリンクやビールよりは手間がかかります。
ですが、カフェや喫茶で利益を出すにはコーヒーを高価格で売らなければなりません。
しかし手間はかかりますが、工夫でなんとかなることも多いです。
なので商品の質を落とさず、提供までの時間を少しずつ削っていきましょう。

飲食業の目標利益率は10%
利益率10%とは一ヶ月100万円売って利益10万ということです。
順位 | 企業名 | 利益率(%) |
1 | コメダHD | 14.3 |
2 | ギフトHD | 8.8 |
3 | うかい | 7.2 |
4 | 串カツ田中HD | 6.8 |
5 | 王将フードサービス | 6.7 |
6 | アークランドサービスHD | 6.4 |
7 | 力の源ホールディングス | 6.1 |
8 | G-FACTORY | 5.7 |
9 | 日本マクドナルドHD | 5.6 |
10 | ヨシックス | 5.6 |
上記の表はコロナ真っ最中なのでほとんどの企業は利益率5%から6%と苦戦しているのがわかります。
2024年度は王将やマクドナルドは利益率10%前後まで戻していました。
飲食店は売り上げが無くても営業を維持するために最低限の従業員が必要なので利益率は低くなってしまいます。
個人事業主は利益率10%で生活できるのか?
100万円売って利益が10万円ってどうやって生活するのか疑問に思うかもしれませんが心配しないでください。
飲食業の人件費の理想は30%と言われています。
だれも雇わずに100万円売れれば30%の30万円は残る計算です。
月商100万円なら利益が10万円、人件費分が30万円で合計40万円残る計算になります。
ずっと月商100万円のワンオペって無理があって、いつか身体壊します。
しかしここからさらに借り入れの返済などがあるので計算どおりにはなりませんので注意してください。
商品を高く売るには付加価値が必要

高く売るには商品に付加価値を付けるということを聞いたことがあるかもしれません。
付加価値とは価値を付け加えると書きます。
なので本来の商品価値にさらに別の価値を乗せることで価値が高まり、お客様から見ても一度試してみたい、お金を払ってでも欲しい商品になるわけです。
- 材料は同じ
- 素人が作った500円のケーキ
- 世界で有名なパティシエが作った2000円のケーキ
どちらが食べたいですか?という質問をお客様にしたらほとんどのお客様はパティシエのケーキを選ぶでしょう。
世界で有名なパティシエが作っていて普段食べられないケーキということが価値を高めているからです。
お客様が価値を感じなければ意味がない
しかし500円のケーキを選ぶお客様も少なからずいるでしょう。
ケーキがそこまで好きではないお客様です。
ケーキ自体が好きではないのに2000円も払いたくありません。
このようにその人にとって価値が無いものもあるので付加価値を付ける場合はお客様目線で考えましょう。
お客様が望んでいるかどうかを考えることが大切
付加価値の種類はいろいろ
付加価値の例でパティシエのケーキを出しましたが、この付加価値は専門性と権威性です。
お菓子作りですごい人が作っているケーキだから価値が高まります。
そして付加価値はこれだけではありません。
店の雰囲気が好きなお客様は店の空間に価値を感じていますし、専門性や権威性が無くても話が合うからその従業員に会いに行っているなら従業員に価値を感じています。
このなるとお客様は空間や従業員にもお金を払っているようなものです。
なので価値を感じている従業員が店をやめてしまった場合、店員に価値を感じていたお客様は来店しなくなる可能性が高まります。
カフェや喫茶の付加価値についてわかりやすい解説

コンビニに美味しくて安いコーヒーが150円で売っていて、カフェや喫茶でコーヒーを飲んだら500円から600円。
350円から450円の差がありますが、この差が付加価値です。
コンビニには無くてカフェや喫茶にはある物。
- 気に入った店でゆっくりできる
- 気の合う従業員と会話できる
- 専門家がコーヒーを淹れてくれる
コーヒーの味以外の要素に価値を感じるお客様はお金を払ってくれますが、コーヒーが飲みたいだけのお客様は上記の要素に価値を感じることはありません。
コーヒーという飲み物には価値を感じるけれどそれ以外の要素は無駄でしかないのです。
誰も無駄なものにお金は払いたくありません。
商品価格は客層にも影響する

表現の仕方は悪いですが安い商品を扱うと非常識なお客様も寄ってきます。
例えば無茶な要望を要求をしてきたり、コーヒー1杯で何時間も滞在するお客様は確実に増えるでしょう。
根拠はありませんが飲食業20年の経験から言えることです。
お客様から見ればお金を払っているんだから別にいいでしょとなりますが、飲食店から見たら1席を500円で貸し出しているのと同じなので数時間滞在されると困ります。
ヒマならまだいいかと思いますが、混んでいる場合は他のお客様を通せないのでお待たせすることになります。
さらに待てないから帰ると言われたら大きなロスです。
逆に価格が高ければ高い程、個人飲食店の内情やマナーをなぜか知っているお客様が集まります。
すると数時間滞在する場合は追加オーダーをしてくれたり混んでいる場合はお客様自身より新規のお客様を優先するよう言ってくれたりします。
こういう書き方をするとお金を使ってくれるお客様は良いお客様で、使ってくれないお客様は悪いということになりますが、実際自分で経営しているとそう思うことも多いでしょう。

マナーのいいお客様は厳しい
しかしマナーの良いお客様はコチラを見る目も厳しいのです。
適当なサービスが続くと何もいわずにいなくなってしまいます。
そうならないように営業中は気を抜くことなくしっかりサービスしましょう。
間借りカフェでも利益率はしっかり計算する

間借りカフェを失敗しても本業があるので生活が苦しくはなりません。
なんとなく価格を決めたり、利益がほとんど無いボランティアの様な価格にしている人もいるかもしれませんが、商品価格はしっかり考えて利益がでるようにしましょう。
現在間借りカフェを営業しているということは将来カフェや喫茶店を経営したいという夢が少なからずあると思います。
夢が叶い実際に経営することになれば利益を出すことの大変さを実感することでしょう。
その時は接客、サービスだけではなく、店舗の運営もしていかなくてはいけません。
新しいことを覚えるのは大変です。
値付けのことを考え過ぎてサービスがおろそかになり、お客様が離れてしまっては本末転倒。
そうならないように事前に慣れたり答えを持てることはしておきましょう。
【まとめ】コーヒーで利益を出せる価格にする
- なんとなくで価格を決めない
- ボランティアの様な価格を付けない
- コンビニとの差分は付加価値と考える
- マナーの良いお客様をあつめる。
カフェや喫茶の弱点は客単価の低さで、売り上げを上げるにはお客様を多くあつめないといけません。
そしていつまで続くか分からないコーヒー豆の高騰による利益率の低下もあります。
飲食店全般に逆風が吹いていますが、適当に決めることなくすべて理屈で考えて決断しましょう。
間違っても安価で商品を提供することだけはやめてください。