開業までの道のりとして間借りカフェを経験してみてあわよくば開業資金も貯めてしまおうと思っている人は多いでしょう。
しかし飲食業はよく考えてやらないと赤字になりやすいですし、全然開業資金が貯まらないなんてこともありえます。
さらにカフェは飲食業の中でも難しい部類に入ります。
とりあえずやれば儲かるだろうと思うかもしれませんが、世の中そんなに甘くはありません。
間借りでも専業でも何も考えていなくて1年持たずに閉店する店なんてゴロゴロあります。
間借りカフェも専業もやることにめちゃくちゃ差がある訳ではありません。
閉業する時はどれだけお金をかけていようが関係無くします。
今回はなぜ間借りカフェが儲からないのか理由を説明します。
儲からない理由が分かれば失敗する理由も分かります。
この記事を読めば失敗する理由が分かるので、読んだあとに本格的に開業するのと同じくらい戦略を練ってから間借りカフェを始めましょう。
まっすんです。YouTubeもやってます。
カフェが儲からない理由は客単価の低さが原因
間借りでも専業でもカフェは基本的には儲けるには難しい業態です。
1人のお客さんが使ってくれるお金の少なさが原因です。
光熱費や原料など営業に絶対に必要なものの価格があがっているのに、お客さんが払う代金はあまりあがっていないからです。
相場が決まっている
ラーメン1杯1000円の壁問題と同じ原因です。
ラーメンの材料がことごとく高騰していて1000円で売らないと採算が合わないのに価格は変わらず醬油ラーメンを1000円以下で売っているラーメン屋も多いです。
理由はラーメン1杯に1000円以上払うお客さんが少ないからです。
ラーメンと同じく
- コーヒー1杯に1000円
- ケーキ1個に1000円
高いと思うか安いと思うかのどちらかだとしたら、高いと思う人が多いでしょう。
なのでコーヒーやケーキも500円600円でないと売れないのです。
このように、この食べ物ってこれぐらいの価格だよねっていうのがなんとなく決まっています。
なので価格をあげると売れなくなるかもしれないという不安から簡単に価格をあげられない店が多いのです。
客単価が低いと固定費の割合が大きくなる
商品は売れなければ減りませんが、家賃は売れても売れなくても発生します。
売れても売れなくても発生する費用を固定費といいます。
例えば商品の原価率が30%だとしましょう。
300円で作ったものを1000円で売ると原価率30%です。
お客さん1人がコーヒーとケーキで1200円払ったら粗利は840円です。
コーヒーとケーキで2000円なら1400円の粗利がでます。
1日の来店数が10人だとしたら
- 粗利840円は8400円
- 粗利1400円は14000円
そして固定費の家賃が月10万円だとすると1日3333円ですが、分かりにくいので3300円にしましょう。
この3300円を1日の各粗利で計算すると
- 粗利8400円から家賃3300円を引くと利益5100円で家賃割合は39%
- 14000円から3300円を引くと利益10700円で家賃割合は23%
このように粗利が少なければ固定費の割合は多くなり、粗利が多ければ割合は少なくなります。
客単価が低いと家賃を支払うために営業していることになってしまいますが、客単価が上がれば上がるほど家賃の割合が下がるので利益がでます。
固定費は低く、客単価は高くを実践しましょう。
間借り営業は集客が難しい
集客とは読んで字のごとくお客さんに自分の店に来てもらうことです。
専業ですら集客が上手くいかずに悩んでいる人が多いのに、間借り営業だとなおさら難しくなります。
店の雰囲気を作れない
お客さんはいろいろな理由で来店します。
- ゆっくりしたい
- 美味しいコーヒーが飲みたい
- 美味しいお菓子が食べたい
- あなたと話したい
しかし間借り営業だと貸元の営業がメインなので外装や内装を変えることができません。
店舗営業の大きな武器のひとつは店の雰囲気です。
極端ですが、和風の雰囲気で洋食を出しているようなものです。
今の時代はInstagramで写真を簡単に共有できるので商品と同じくらい店の見た目や雰囲気も重視されます。
カフェなら女性客が多いのでなおさら重要です。
店の見た目や雰囲気を使えないと武器となるものが商品だけになります。
間借りカフェの競合は間借りカフェをしている人同士だけではありません。
流行っているカフェも競合になります。
向こうからは眼中に入っていなくてもお客さんは流行っているカフェにとられているんです。
事業とは他の事業者とのバチバチの戦いです。
なのに大きな武器が使えないというのは非常に不利になります。
営業日数が少ないから
間借り営業を選んだということは本業も持っているということです。
ならば間借り営業ができるのは本業が休みの日だけになります。
一般企業の休みは週1日か週2日だと思います。
つまり間借り営業できる日も週1日か週2日しかありません。
そうなるとあなたの店に行ってみたいと思っているお客さんとあなたの間借り営業日が合わない可能性が出てきます。
よほど強くあなたの店に行ってみたいと思っていない限り、何度か予定が合わなければあなたの店に対する興味が薄れていきます。
他にも新規のお客さんは常連になってくれることもありますし、新しいお客さんを連れてきてくれることもあります。
なのに営業できる日が少ないと本来来てくれるはずだったお客さんが知らない間にいなかったことになります。
さらにそのお客さんが集客してくれるはずだったお客さんまでもいなかったことになってしまうんです。
営業できる日が少ないならどれだけSNSで営業を宣伝しようが意味がありません。
間借りできる時間に対して賃料が高い
間借りサイトを見ていると間借りの賃料はさまざまです。
すべて調べた訳ではありませんが昼だけや週1日借りられる店舗が多く、賃料が週1日で5万円前後や昼のみで可能で10万円を超えている店舗がありました。
僕の仕事上さまざまなスーパーのテナントの飲食店に入って仕事をしていますが、テナントの賃料を基準とすると間借りの家賃は高いと感じます。
週1日間借り可能で賃料が5万円の場合、賃料分を稼ぐだけでも営業1回につき12500円売らなければいけません。
さらに賃料に原料費もかかるので必要な売り上げはあがります。
すでに常連が付くほど繁盛しているなら問題ありませんが、間借り営業を始めたばかりだと1万円売るのすら難しいでしょう。
開業するよりは敷居が低い間借りですが、それでも安くない賃料を払いつづけるのも負担になります。
【まとめ】間借りも専業もカフェは難しい
集客が難しいのはカフェだけではありませんが、カフェの客単価の低さは間借りでも専業でも悩みのタネになります。
つまりカフェ営業を軌道にのせるには客単価をどれだけ高くできるかにかかっています。
美味しいコーヒーやお菓子を安く食べてもらいたいという方針でカフェを始めてうまくいかないと言う人は多いです。
もちろんこれだけではありませんが、客単価は非常に重要なことを知ったうえで間借りカフェを始めてください。
