税金が上がり続ける今の時代、もう少しお金があったらいいなと思ってますよね?
国も企業も従業員の生活を守り続けられないことが分かっているので、副業を推進し始めて生活費や老後資金は自分で稼いでくれという状態です。
大半の人はいきなりそう言われても考えつくのは空き時間のアルバイトでしょうか。
提供できる価値が労働しか思いつかないからですね。
しかしコーヒー豆の焙煎をしている人なら一度はコーヒー豆の販売を考えたことがありませんか?
自分が作った商品が売れてお金がもらえるのは飛び上がるほど嬉しいですが、そんな簡単ではありません。
コーヒー豆の販売を少しでも考えたことがある人、まだやった事はないけどやるつもりの人に向けてコーヒー豆販売は稼げるのか説明していきます。
稼げるけど難しい
当たり前ですが、物を売って誰かが買ってくれたらお金がもらえるので、稼ぐ事はできます。
ですが、皆さんが知りたいのはそういうことではなくて、生活の足しになったり、大人のこづかいになるぐらいは稼げるかどうかでしょう。
実際僕がコーヒー豆の販売やカフェの間借りの副業を始めて1年半ほど経ちますが、月に10万円前後の売上があります。
売上は10万円ですが経費を引くと利益は10万円以下になります。
本業の休日に間借り営業していますが、休日は週に1日なので完全な休日は無くなりました。
さらに豆を売るために別の時間に焙煎します。
そこまでやっても売上月10万円なので効率が良いとは言えません。
コーヒー豆の販売にかぎらず商品やサービスを自分で売るという行為は労働ではなくビジネスです。
会社に所属していればもらえる給料と違って商品やサービスが売れないと、どれだけ働いても収入はありません。
稼ぐのが難しい理由
コーヒー豆の単価が低い
コーヒー豆を焙煎しているなら市販のコーヒー豆がどれぐらいの価格で売られているか分かると思いますが、100g数百円です。
個人焙煎店が扱っているスペシャルティコーヒーは100gで千数百円ですが、ネットで売っている誰かも分からない人が作ってる高価な豆は売れません。
なので100g数百円のコーヒー豆が売れ筋になりますが、そこからコーヒー豆の袋などの資材の経費を引くと残る利益は400円から500円ほどになります。
コーヒー豆だけなら利益率は80%前後になるので飲食品として非常に優れていますが、実際の収入は100g売れて500円ほどです。
副業で生活を豊かにすることを考えたら月3万円は欲しいところですが、100g売って500円の利益なら60個売らないといけません。
仮に100万円で売ってる車の利益率が20%でも1台売れれば20万円の利益です。
安い商品はたくさん売れるじゃないかと思う人もいるでしょうが、売れても60個分を焙煎して袋詰めするのに時間もかかります。
なので商品単価が低いというのは不利なんです。
焙煎機が必要
100gで売るなら豆から水分の抜ける分を考えて125g焼きます。
125g x 60個 =7.5kg
1か月で7.5kg焼かないと3万円に届きません。
1回の焙煎が冷却含めて15分と考えるなら、1時間に4回しか焼けません。
1時間で500gなら7.5kg焼くのに15時間かかります。
3万円稼ぐのに焙煎だけで15時間かかるので調理器具の焙煎では容量が足りませんし、焙煎につきっきりなので時間も使います。
調理器具焙煎だと効率が悪すぎてアルバイトした方がマシです。
なので焙煎機が必要になります。
業務用焙煎機はもちろん高価ですが、家庭用の手回し焙煎機でも大きめの焙煎機だと数万円するので投資が必要になります。
コーヒーは何杯も飲まない
豆売りではなくカフェ営業の場合ですね。
お酒は何杯も飲むのに、コーヒーは1杯か多くても2杯ぐらい。
僕はこんな感じで、多くの人もこんな感じだと思います。
おそらくアルコールが影響してるんだと思いますが、同じ嗜好品なのになぜこんなに飲む量が違うんでしょうか。
お会計で支払う金額はお酒が5000円でカフェは高くても1500円ぐらいです。滞在時間は違いますが、やはりお酒の方が飲むペースは速くなります。
商品を見つけてもらえない
美味しい豆を焙煎出来てもあなたのコーヒー豆が売っていることを誰も知りません。
美味しいものを作っていればお客さんは来てくれる
この考えはインターネットが普及していなかった時代だからこそ通用したんです。
今は誰でもネットで物を売れる時代で、数え切れないほどの物が売っています。
コーヒー豆も例外ではなくて、メルカリなどのフリマアプリで検索すると大量のコーヒー豆がでてきます。
そのなかに見た目の特徴が無いコーヒー豆が並んでもクリックすらされません。
興味をもたれない
不用品の処分ではなくて、稼ぐためにネット販売を使ったことがある人なら分かると思いますが、簡単には売れません。
現実の商売も同じで看板を掲げたら売れるわけではなく、興味を持たれないと売れません。
ネットで売れない物は現実でも売れませんし、現実で売れないものはネットでも売れないんです。
事業収入に上限はない
稼ぐことが難しいのは事実なんですが、会社員の場合、自分がどれだけ会社に利益をもたらしても決まっている給料しかもらえません。
しかし自分の事業で出した利益はそのまま自分の収入になるので稼げるチャンスは増えます。
副業では大きく稼げない
コーヒー豆を売って月収100万円も実現可能かと聞かれたら可能ではあります。
しかし1日数時間の取り組みで大金を稼げるほど世の中は甘くなくて、副業としてでは限界があります。
本業で1日8時間5日の週40時間使っている仕事の生産性を副業が上回ることはありません。
ネット広告によくある楽して100万円稼げる副業なんてないので騙されないように気を付けてください。
大きく稼ぎたいなら飲食業以外
稼ぐ事が目的なら飲食業以外をオススメします。
高級レストランでもないかぎり、飲食業は商品を数百円で売って数百円の利益を出す仕事です。
飲食業のトップ企業は【すき屋】でおなじみのゼンショーと大金が動いているイメージがある不動産業トップの三井不動産の売上高を比べると三井不動産がゼンショーの2倍以上の数字を出ています。
稼げるかどうかは業界の規模や商品単価の大きさに比例するので、副業で稼ぎたいなら数百円の商品を扱うのではなく、数千円、数万円の商品やサービスを扱って下さい。
それでもコーヒーを売りたい人へ
カフェ営業は難しいという言葉はよく聞きますが、当然豆屋も難しいです。
僕は飲食業界に20年在籍していますが、カフェ、豆屋にかぎらず飲食はすべて難しい。
というよりかビジネスすべてが難しいんですね。
大手も中小零細も同じステージで戦って負けたところから退場しないといけない。
ビジネスは競争で個人規模の新規参入者は弱者です。
弱者が自分のペースでご飯食べられるぐらい稼げたら満足なんて言ってたら一瞬で退場です。
自分で商売したいなら準備しながら絶対勉強してください。
焙煎出来る、美味しいコーヒーが淹れられる。
それだけでは足りません。
得意不得意はあると思いますが、個人でやるなら財務や会計、マーケティングも必要になってきます。
お金があれば開業はできますが、それを維持していくことが大切で難しいんです。
チャレンジする気持ちは大切ですが、気持ちだけでは退場が待っています。
そうならないためにも準備はしっかりしてください。